上海日本人僧侶襲撃事件(しゃんはいにほんじんそうりょしゅうげきじけん)とは、1932年(昭和7年)に発生した中国人による抗日(反日)事件とされており、この事件をきっかけに日中が武力衝突する上海事変が勃発した。ただし現在では関東軍による策謀であるとの説が有力である。
前年の満州事変によって中国国内における反日感情が高揚していた。1932年1月18日午後4時ころ、中華民国上海の道路を南無妙法蓮華経を唱えながら勤行していた、日本人僧侶2名と信者3名が、排日運動の根拠地と見なされていた三友實業公司のタオル製造工場前の路地で、突如中国人と見られる数十人の集団に襲撃された。そのため日本人の日蓮宗僧侶の水上秀雄が死亡し、天崎天山ら2名が重傷を負った。中国の警察官の到着が遅れたため、犯人は逃亡した。
その後、上海事変が勃発し日中は果てしない戦乱に明け暮れることになるが、現在ではこの事件は日本側に雇われた中国人によるものと見なすのが定説である。これは事件が起きた工場の影のオーナーが上海公使館付陸軍武官であった田中隆吉であり、その工場の買収資金は関東軍参謀であった板垣征四郎から「満州国独立に対する欧州列強の目をそらせるために、上海で騒動を起こせ」と渡された工作資金20000円から出されたものであった。そのため、陽動作戦のひとつとして日本側の何者かが中国人をそそのかして襲撃させたといわれている。
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