治安当局高官によると、トリポリで10日夜から11日未明にかけて、親欧米の与党を支持するスンニ(Sunni)派勢力と親シリア・イランのヒズボラ系Alawite派勢力の間で激しい戦闘があった。
衝突で女性1人が死亡し、少なくとも5人が負傷した。また、数千人が避難した。戦闘は11日の朝に沈静化し、その後軍が戦闘地域に展開した。
AFP特派員によると、戦闘のあった地域の多くの家屋や企業が放火され、店舗の窓ガラスは割られ、薬きょうが道路に散乱していた。
首都ベイルートが不安定ながらも沈静化する一方で、北部では与党スンニ派支持者とシーア派野党武装勢力との間で夜通し戦闘が続いた。トリポリの住民によると、激しい機関銃の音と携行式ロケット弾の爆発音が途切れることなく聞こえたという。
レバノン政府はシーア派野党勢力の抑え込みを狙って、ベイルートの空港保安責任者の配置換えを行い、ヒズボラの通信網を捜査するとの決定を下したが、軍当局がこの決定を破棄すると発表したことを受け、シーア派野党勢力は10日、制圧していたベイルート西部一帯から撤退すると発表していた。
一方、米政府はベイルートの沈静化を歓迎しつつ、ヒズボラに対する懸念を変えていない。米国家安全保障会議(National Security Council、NSC)のゴードン・ジョンドロー(Gordon Johndroe)報道官は、「イランとシリアの支援を受けたヒズボラが不安定化をもたらす武装勢力であることに変わりはない」と述べた。
またレバノン治安当局高官はAFPの取材に対し11日、イスラエルの戦闘機が同日レバノン南部の領空を侵犯したと述べ、この地域の緊張が高まっていることを示すものだとの見方を示した。
ベイルート西部の制圧は、ヒズボラの軍事力と実力行使の能力を劇的に誇示する形になった。スンニ派勢力がレバノンでシーア派のイランの影響力が高まることを不安視する中、アラブ連盟(Arab League)はエジプトで11日に緊急会合を開催することを決定した。
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