ゲイル・ハーデ(Geir Haarde)前首相の独立党(Independence Party)と社会民主同盟の連立政権は前月26日、経済問題をめぐる抗議行動の激化を受けて政権崩壊に追い込まれた。
シグルザルドッティル新首相は社会問題相を長く務め、同国でも有数の実力派政治家。社会的大義の熱心な擁護者として知られており、国民や同僚議員らから「聖ヨハンナ」のニックネームで親しまれ、幅広い支持を得ている。
前年来の経済危機を受けて、前年9月時点の世論調査で60%だった支持率が同12月には73%まで上昇、全閣僚中最大の支持率を獲得し、社会民主同盟党首のインギビョルク・ギスラドッティル(Ingibjorg Solrun Gisladottir)外相の強い後押しで、首相に選ばれた。
ただ、ハーデ前首相は辞任直前に5月9日の解散総選挙を宣言しており、与党2党は選挙実施を4月25日に前倒しする方向で一致している。
■客室乗務員出身、同性愛を公表
大学卒業後、旅客機の客室乗務員として勤務。その後政界に転じ、1978年に国会議員に初当選した。1987-94年まで社会問題相を務め、2007年5月の総選挙後、ハーデ政権で再び同相に就任した。
02年に54歳の女性作家と「結婚」。同性愛者であることを公表しているが、私生活を公にしたことはなく、次期首相候補として名前が取りざたされるようになってから、同性愛者であることを知ったという国民も多い。