もう40年近い前のマンガですが紹介します。
後に「がきデカ」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8C%E3%81%8D%E3%83%87%E3%82%AB
を描く、山上たつひこさん
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E4%B8%8A%E3%81%9F%E3%81%A4%E3%81%B2%E3%81%93
の作品「光る風」
http://himawari823.no-blog.jp/unchiku/2008/08/post_1ed9.html
http://www.d3.dion.ne.jp/~yumeya/doushin-7.html
http://todorokite.exblog.jp/10112812/
です。
97年にちくま文庫で復刻。今でも入手可能です。
で、この光る風、私が大学で反核運動をしていた時に、マンガを馬鹿にしていた先輩から読むように薦められたものです(当時読んだのは朝日ソノラマの単行本)。で、がきでかの作者がなぜ?と思ったら、これ、超ハードなポリティカル・フィクションで、70年安保当時に週刊少年マガジンで連載されたもので、日本に軍国主義の復活することを警告した、ものすごい作品です。残酷描写、その他えげつない描写が連続し、よくちくま書房が復刻したと思いますが、今観てもすさまじいものです。山上さん、この他にも同種の作品を書いています。
しかし、この光る風は不可解な結末を迎えます。30年前、先輩より、作者が連載中に右翼に刺されたからだ、そのためこの連載は打ち切られ、作者は後にギャグマンガへ転向したと聞きました。詳細は不明ですが、今もし、これを少年誌で連載したら、間違いなく右翼の街宣車が飛んでくる代物です。よく、当時の少年マガジンが載せたものだと、今では思います。
ともかく、すさまじい衝撃の連続の光る風、多くの人に読んで欲しいです。ここに、70年当時に書かれた、自衛隊の海外派兵は現実化しています。
《Bさんの言葉》
『光る風』の衝撃は、具体的には、「国連協力法」により自衛隊がカンボジアに派兵されるという1990年代初頭の出来事を20年前に予見していたかのような黙示録的な描写にあると思います。
実際に起きた出来事は、1990年の湾岸危機の最中に多国籍軍への自衛隊の後方支援を可能にするという内容の「国連平和協力法案」が国会に提出→廃案→1992年6月に「国連平和維持活動(PKO)等協力法案」が成立→それに基づき自衛隊がカンボジアへ派兵という流れでした。「国連協力法」と「国連平和協力法案」、そして「国連平和維持
活動(PKO)等協力法」!自衛隊の派兵先がカンボジアというところまで一緒です。
『光る風』は『少年マガジン』連載でした。小学生の頃、訳もわからずリアルタイムで読んでいた記憶があります(祖父が散髪屋を営んでおり、店に『少年マガジン』が置いてあった)。
後に、あまりの予言の的中っぷりに驚いて朝日ソノラマ版のコミックスの1巻を古本屋で購入しました。1990年代初頭のピースボートの事務所にも『光る風』が置いてあったことをおぼえています。

光る風