2月27日。
菅直人財務大臣の元政策秘書で、日本経済新聞の記者だったこともある松田光世氏(自称:どらえもん)のツイッター。
http://www.asyura2.com/10/senkyo81/msg/377.html
さて、ぼちぼち検察のもう一つの悪質な冤罪事件、村木厚子元局長の冤罪事件(世間では第三者郵便不正事件)について、レポートしていくことにしましょう。すでに、裁判では、検察側証人が、検察尋問に対して供述調書の内容をことごとく否定し、公判維持すら不可能になりつつあるのは周知の事実。
村木さんの無罪は、ほぼ確実なわけですが、それでは真犯人は誰なのか。障害者団体の認定については、上村勉元係長が「私が一人で全部やった」と公判で証言していますが、これも疑わしい。実際には「上司からマル政案件だと言われてやった」という調書のとおりで、上司は村木課長(当時)ではなかった。
上村元係長に指示したのは、当時の村木課長の上司で障害者福祉部長だった塩田と考えるのが自然なのに、なぜか大阪地検特捜部は、塩田元部長の証言通りに捜査を進めました。共犯の一人を捕まえずに、その証言ででっちあげられた犯人、つまり村木さんを逮捕した。こんな間抜けな話はありません。
しかも、検察側証人として法廷に立った塩田氏は、自分の犯行がすでに時効になったことを前提に、公判では証言はをひるがえして「村木さんは無実」と供述を完全に翻しました。これだけなら、おバカの大阪地検が犯人に騙された冤罪事件ですが、実はこの事件にはもう一人の「重要な共犯者」がいます。
どらえもんは、これまで「真犯人は長野に潜伏中」とだけ、つぶやいてきました。それは、その男が長野に別荘を構え、悠々自適の生活を送っているものの、もし何がしかの経済的利益を倉沢被告から得ていれば「受託収賄罪」となり、時効の7年は過ぎていない。そう考えて調査してきたからです。
調査には、長妻厚労相、原口総務相の協力も頂きました。日本郵政内部の旧知の方々の協力も。どらえもんは、日経経済部時代に2年間、旧郵政省を担当していましたから。
村木さん冤罪事件で、当初から検察側のストーリーには大きな無理がありました。それは、日本郵政の第三者郵便の認可を得るために、村木さんが日本郵政の東京支店に電話したというもので、村木さん自身は「電話していないし、知り合いもいない」と取り調べ段階から完全否定してきたことです。
しかし、障害者団体の資格を得るだけでは、日本郵政公社の第三種郵便の資格認定をパスすることはできません。誰かが口利きをしなければ、あんなにすんなり認められることはない。そこに、もう一人の「重要な共犯者」が浮かんでくるのです。
どらえもんが当初から疑問に思っていたのは、マスコミが一斉に石井一参院議員と倉沢被告の関係を中心に報道したことでした。週刊誌の中には、石井事務所の秘書という肩書の倉沢被告の名刺を掲載したところもありました。取材すると、ある男がその名刺を見せて「石井一犯人説」を流していたことが判明。
その男は、引退した自民党議員の秘書を長く務め、身内に障害者を複数抱え、障害者福祉にもともと影響力のある男でした。どらえもんは、政治部時代にその男の派閥を担当していたので、議員会館や派閥事務所でよく顔を合わせてきました。
その男の上司は、厚生大臣を3回歴任し、その都度政務秘書官を務めたその男は、厚生労働省の官僚に深く食い込んでいました。中でも、障害者福祉部長だった塩田とは入魂の仲でした。
手元に、小泉内閣時代にその男の地元と周辺自治体に補助金で作られた障害者福祉施設、老人介護施設のリストがあります。実に、多くの施設が作られ、その受注業者が彼の「別荘」も作っています。土地代金も業者が払った疑惑が報じられた。そんな時期に郵便不正事件は起きました。
実は当時、どらえもんも長野に出向き、その男の別荘の写真を撮り、登記簿をあげて、なぜ一軒隣の家の人が、土地の所有者なのかなど不可解な事実を調査していました。まだ秘書時代のことです。
その男は、自民党秘書会の有志の集まりを通じて、倉沢被告とも旧知の仲でした。当然、その時代に名刺交換をして、「石井一秘書倉沢」の名刺も持っていた。名刺交換したら、その名刺の裏に日付を書いて、属性ごとに整理しておくのが、その男の習性でした。
そして、決定的に重要なのは、その男が宮沢内閣時代に郵政大臣秘書官を務め、事件当時の郵政公社に、限定的な形であれ、人脈を持っていたこと。なぜ限定的な人脈しかないかというと、上司が「郵政民営化論者」で、当時の郵政省では総スカン状態だったから。
村木さんの冤罪事件は、村木さんが郵政公社に働きかけたのでなければ、誰が郵政公社に口利きをしたのかを解明しないと事件の全容が解明できない。その謎を解くカギが、その男と事件当時の郵政公社東京支社幹部との緊密な、というより「絶対服従」の関係にある。
その男と事件当時の郵政公社東京支社長Mは、宮沢内閣当時、郵政大臣室で席を並べて働いていた。政務と事務。肩書は同じ秘書官でも、大臣の威光を笠に着たその男に、Mはこき使われていた。その様子を、当時大臣室に入り浸りだった郵政省クラブ時代のどらえもんは、逐一目撃してきた。
Mが郵政省広報室長だった当時、どらえもんは、大臣同行で一緒にドイツ・フランスを旅行した。バブル絶頂期のこと。仏南部のリゾート地ニースで最高級のネグレスコホテルに泊まり、ビーチを闊歩するトップレス美女たちを眺めて、Mは「本当にこんなところがあるんですねぇ」と嘆息した。
当時、一緒に旅行したA氏(現在は日本郵政グループ幹部)によれば、Mとその男の奇妙な絶対服従の関係は「秘書官を辞めたあとも、ずっと続いていた」という。そのためか、Mは小泉内閣の下で出世を続け、日本郵政グループ会社の副社長にまでなった。
村木さん冤罪事件のレポート続けます。まず引っ掛ったのは、逮捕された上村被告が口にしたという「マル政案件」という言葉でした。霞が関の常識では、「マル政案件」といえば、官邸か大臣、あるいは与党の族議員のボスクラスの強い働きかけのある案件のことを指します。野党議員はマル政とは呼ばない。
それなのに、当時野党議員で厚生労働委員会に一度も所属したこともなく、「厚生労働省内でピンさんが厚生労働族だという認識の人は一人もいないでしょう」(厚労省幹部)という石井議員が、仮に何らかの働きかけをしたとしても、「マル政案件とは呼ばない」(同)のです。
つまり、上村元係長が「これはマル政案件だ」と上司から言われたとすれば、その上司は、官邸や大臣、与党族議員の大物から働きかけを受けているので、断れないなと、部下は思うということなのです。
それを倉沢が石井議員の私設秘書をしていたことを知っている誰かが無理やり石井議員と結び付けようとしているというのが、第一印象だったのです。
当然、石井議員本人にも秘書にも取材しましたが、本人は「俺は村木さんという人、会ったことないんや。この報道があって、テレビで顔が映って、この人かと。初めて見たんやで」と。
当然、村木さんへの働きかけなど一笑の下に全否定。村木さん側も全否定。今週は、石井議員本人が法廷に立って、きちんと説明することになるでしょう。
あの男は、石井議員が関与したように、塩田元部長と口裏合わせをし、自分が関わった日本郵政公社への働きかけをもみ消すため、村木さんを身代わりに仕立て上げた。郵便不正事件の共犯としては、残念ながら時効のカベの向こうにいるあの男こそ、村木さん冤罪事件の主役なのだ。
あの男は、霞が関に毛細血管のように張り巡らされた利権の網の目を、誰がどの利権を握っているかまで熟知していた。どらえもんがまだ秘書になりたてのころ、3部屋隣にいたあの男から「Kさんの資金的バックは弁政連だろ」と言われた。
Kさんは、弁理士出身の唯一人の国会議員だ。当然、弁理士政治連盟から支援を受けているが、金銭的には大したことはない。弁政連も党派性のある組織ではない。それもおそらく知った上で、「俺は何でも知ってるぞ」という風にカマをかけるのが、あの男の流儀なのだ。
あの男は、郵政大臣秘書官当時から、それまで田中派・竹下派が牛じってきた「郵政利権」に目をつけていた。第三種郵便など、その巨大利権のほんのひとかけらでしかない。「郵政民営化」の大義名分の下、郵政を「清和会利権」にすることが、主目的だった。
あの男の先兵として、郵政利権の引きはがしに動いたのは、竹中平蔵と菅義偉だった。麻生太郎は、あまり利権あさりに興味がなく役に立たないという評価だったので、本人の言うとおり郵政民営化のメインストリームから「外されていた」。
村木さん冤罪事件は、あの男が支配した「郵政民営化利権」のごく一部を元自民党秘書会の同僚だった倉沢被告に「おすそわけ」したのが真相というのが、どらえもんの調査による結論です。
倉沢被告からあの男に何がしかの利益供与があれば、あの男を収賄罪で捕まえることもできるかと調べましたが、それらしき事実は確認できませんでした。つまり、この郵便不正事件で、あの男を逮捕することはできないと判断し、つぶやくことにしたわけです。
むしろ、どらえもんの情報網には、当時、倉沢被告があの男の別荘の入手の裏情報で、あの男を脅していたという話も入っています。うるさいハエを追い払うには、障害者向け第三種郵便認可というアメをめぐんであげたということなのでしょう。
しかし、大阪地検が第三種郵便の不正事件で政界にも捜査の手を伸ばしはじめたことに慌てたあの男は、塩田元部長と口裏合わせをして、村木さんを犯人にでっち上げたのです。村木さんを守ろうと塩田元部長に法廷で真実を証言するよう直接働きかけた厚労省幹部も「塩田さんはでっちあげを認めた」と。
あの男の意図ははっきりしていて、自民党政権の存続が危機を迎えた時期、民主党の石井参院議員が関与して不正が行われたかのような事件をでっちあげ、「調書はとるな。捜査には協力する」と言葉巧みに大阪地検特捜部の検事を騙して、自分の「共犯関係」を覆い隠したのです。
大阪地検特捜部は、どらえもんが昔所属した大阪司法クラブの記者の間では「トイチ」と呼ばれていました。10年に1度しかまともな大事件をあげられないということで、検事も東京では使えないレベルだと。タイガースの優勝と特捜部の活躍は、どちらが次に来るかと話題になるのが大阪。
永田町の修羅場をくぐってきたあの男にしてみれば、大阪の特捜部レベルの検事を騙すのは、簡単でしょう。特捜部長は、三井環氏を逮捕した主任検事ですしね。現に、現場の検事は、あの男が見せた「石井事務所秘書倉沢」の名刺にすぐに飛びついて、今回の村木さん冤罪事件となったわけです。
真犯人のあの男が指差した方向を捜査して、無理やりでっちあげた供述で、村木さんを「犯人」に仕立て上げようとした大阪地検特捜部は、公判が進んで裁判が維持できなくなるまで、自分たちが騙されたことに気付かなかったのかもしれません。事実は、小説よりもサスペンスドラマよりも奇なりです。
どらえもんは、当初から村木さんは冤罪だと思っていました。最初から、あの男が雑誌の記者に倉沢の石井事務所秘書時代の名刺を見せて回っているという情報は入っていましたから。あの男の世論操作のおかげで、何度もひどい目に遭っているので。
どらえもんと @tuesugiくんは、あの男のおかげで危うく例の「偽メール事件」の犯人にされるところでした。あの男が知り合いの記者を呼びつけては「犯人は民主党議員の秘書だったジャーナリスト」とガセネタを流したおかげです。以来、@tuesugi君とは「被害者同盟」を結成してますが。
個人攻撃の「ガセネタリーク」は、あの男にとっては、常套手段なのです。どらえもんや@tuesugiくんの「被害者同盟」に、さらにひどい形で加わったのが、村木厚子さんということになります。
ちなみに、あの男が偽メール事件でガセネタを流した時の模様は、被害者同盟の@tuesugiくんがブログに記録してくれているので、参考まで。
http://www.uesugitakashi.com/archives/50347212.html
引き続き@tuesugiくんのブログから「被害者同盟」結成のくだり。
http://www.uesugitakashi.com/archives/50347813.html
ここまで読んでいただくと、あの男とわれわれの歴史もおわかりいただけるはず。
どらえもんのところにFTV記者が「○○秘書官がどらえもんが偽メール持ち込んだ犯人だと言ってますよ。本当ですか?」と聞いてきたので、「ウソウソ。真犯人は、山口組系のヤクザの下っ端のNってヤツ。中川秀直とその××組の若頭が銀座で飲んでたって言うから調べてるんだ」と答えたっけ。
@tuesugiくんのブログでは、配慮して伏せてあるけど、どらえもんは取材に対しては、「あの日は原口さんの予算委質問作りでずっと一緒にいたから、アリバイは原口さんに聞いてよ〜。永田議員の質問は一度も作ってないし、どらえもんが作ったらこんなドジな質問しないよぉ」と答えてきました。
☆検察官が証言 「小泉元首相の秘書から言われた」
(3月18日の大阪の毎日放送MBSニュース)
http://www.asyura2.com/10/senkyo82/msg/671.html
郵便割引を受けるためのウソの証明書を出した罪に問われている厚生労働省の元局長の裁判で、関係者の取り調べを担当した検事が証人として出廷しました。
その中で検事は、取り調べの中で小泉元首相の秘書の名前が上がっていたことをあきらかにしました。
厚労省の元局長、村木厚子被告(54)は実態のない障害者団体「凛の会」が郵便料金の割引を受けるためのウソの証明書を部下に作らせた罪に問われています。
村木被告に作成の指示をしたとされる元上司らは裁判で捜査段階の供述を覆し、村木被告の関与を否定しています。
しかし、元上司の取り調べにあたった検事は「元上司は石井一議員からの依頼で村木被告に指示したことを自ら供述した」とした上で「小泉元総理大臣の秘書をしていた飯島勲さんに正直に話すよう言われたためと言っていた」と証言。
ただし「元上司が拒んだため調書にはしてない」と話しました。
検察側は検事ら6人を証人尋問する予定で、関係者が村木被告の関与を認めた供述調書の信用性を主張する方針です。
↓
☆郵便不正 第15回公判、検察側「凛の会」元会長の再度尋問請求
(昨日の産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100324/trl1003242033008-n1.htm
http://www.asyura2.com/10/senkyo83/msg/147.html
検察官「元部長が石井議員から電話を受けたと話したとき、どう思ったか」
林谷検事「代議士本人がかかわっていると聞いて非常にびっくりした」
検察官「元部長が小泉元首相の秘書官だった飯島さんに相談したことの裏づけはとれているか」
林谷検事「前回私が出廷した前日に、特捜部の副部長が飯島さんに電話で確認して、裏が取れた」
2010年03月25日
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自身の悪行を、いっそ逆に民主党攻撃に利用するなんて、中々どうして、並みの悪人じゃ、到底考えも付かないでしょ!
小泉さん以下、森派政権下で起きた不思議な死亡事件・自殺の多くは、確かにマトモな神経では…、いや何でもありません。
この件の背景説明はコチラ(長文ですが)。
Yahoo!みんなの政治 - 政治記事・ニュース - 政治記事読みくらべ - 中央公論 - 日本政治再生を巡る権力闘争の謎=カレル・ヴァン・ウォルフレン
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20100319-01-0501.html
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20100319-02-0501.html
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20100318-03-0501.html