2010年03月30日

日本の原発は「大振幅の長周期表面波」を考慮せずに設計された?

「そもそも浜岡原発だけでなく,日本の原発はM6.5までの直下型地震にしか耐えられない構造なので」



Rolling Bean
http://twitter.com/rolling_bean

東京首都圏に超周期地震動の危険性。高層化する前の東京は長周期に見舞われた形跡(昭和19年、東南海地震)。大きな揺れが2分、さらに10分の長周期地震動。東工大の翠川先生説明。揺れた原因は関東平野の下の軟弱地盤が数キロの深さであるから。

東南海地震の長周期地震動の波形を分析すると、各周波数の振動に分解すると、周期3秒付近と10秒程度が非常に多く、30〜40階建ての高層ビルが揺れる。東京湾の石油タンクも大きく揺れる。紀伊半島沖の東南海・東海地震が同時に起こったら揺れは耐震基準を上回る可能性と翠川先生。

高層ビルの耐震設計の想定上限を上回り被害が出る。さらに首都圏が長周期地震動にさらされやすいいくつもの条件。太平洋沿岸の「付加体」という海底の柔らかい層が地震動を関東平野まで運び、分厚い軟弱地盤で大きく揺れる。長周期地震動に狙われる地域が首都圏。

M8.4相当の長周期地震動発生実験。地上40階の揺れを再現。ビルが共振を始め、固定されていない家具が数メートルにわたり部屋中を動き回り数分間揺れ、その間に避難することはほとんど不可能。実験ではビル事態は壊れなかったというが、人的被害の画像。

なぜ長周期地震動への対策がなされていないのか?霞が関ビルの設計者は長周期地震動の対策を取り入れていた。壁に溝をつけたスリット壁。ビルが共振した場合、溝の周辺に亀裂が入り、エネルギーを緩和する。余裕を持った設計をしていた。ところがその後、長周期地震動への備えは普及せず。

長周期地震動に対する制振ダンパー。オイルが揺れを吸収するタイプのもの。新築の高層ビルには設置されることが多く(多いだけ?)なってきた。問題は既存の高層ビル。新宿センタービルは設計した会社に説明を求めた。残念ながら長周期に対応していない。倒壊しないが被害は出るのでダンパーを24億で

288台の制震ダンパーをつけたが高額でありこうした対策はわずか。危険は知りながら対策されていない、と。個人的に心配なのはそれでも十分かという点、また現状の基準でもやはり危険だという話があったこと。

巨大地震の被害総額は最大200兆円。20兆円の対策費で被害を半分にという試算も。14年かければ国民一人あたり一日43円、と番組。東京の湾岸の懸念がここから示されます。

東京湾岸は現代都市の象徴だが、地下の杭がまっぷたつに折れた例。大量の地盤が動いて杭を破壊した。ライフラインも破壊される。★側方流動★です。埋立地で水のようになった地盤が護岸を倒して大量に動き埋設物を壊す。長周期地震動で側方流動がひどくなる。液状化の実験。

震度5程度で地下から水が湧き出します。液状化。時間が長くなるとさらに深くなり、長く続く揺れは側方流動の規模を拡大。都市に与える影響を早稲田大学濱田先生が研究。予測では被害集中は護岸が古い埋立地。危険にさらされるのは護岸付近の貯蔵タンク。中には LPガスやガソリン。

側方流動により護岸が最大7m海側に動き出しタンクが倒壊。埋立地1万2000リットルの油分で2ヶ月東京湾封鎖され、生活に大きな影響。阪神淡路大震災の10〜15倍以上の被害が出る。準備しないともう間に合わない。東京都は護岸補強工事をしているが100mに3億円(前回も書いた数字です)

高層マンションの住民に翠川教授の説明。長周期地震動の揺れを体験し、怖さを実感してもらう取り組み。長周期地震動の未知の揺れを知ることが対策の第一歩。豊かさを追い求め新たな震災リスクを作ってきた。
→ここまでNHKスペシャルMEGAQUAKE第3回の概略でした。


「NHKスペシャルMEGAQUAKE第3回」自分で使うためのメモを取ることを兼ねてのツイートだったので、番組全体をカバーしていませんが、ご容赦ください。



高度経済成長期にはスリット壁などは高コストで受け入れられず、安全なビルが立てられなかった。だんだんと経済性の追及に重きがおかれ、安全性の確認がおろそかに。阪神淡路大震災まで長周期地震動のレベルを国が設定しなかった。全国の超高層ビル2700のうち、いくつが耐えられるのか不明。



フジヤマ・ガイチ
http://twitter.com/gaitifujiyama/statuses/11255723469
大振幅の長周期表面波と言えば新潟の中越沖地震では震度3の東京の高層ビルで切れないはずのエレベーターのワイヤーが切断する事故が数件起きていますよね。日本の原発は大振幅の長周期表面波を考慮しないで作られていると聞きます


Rolling Bean
http://twitter.com/rolling_bean/status/11256944344
わたしも聞いたことがあります。また、長周期は様々な周波数の振動が、地形、上物、地震の規模と発生メカニズム(断層の方向など)で現れるので、実質は対策をしていないというより、「対策不可能」なのかもしれませんね。建家が倒壊しなければよいわけでないので。



《備考》

田村岱の地震情報レポート ― 日本地震情報研究会

http://homepage2.nifty.com/quake/shiryou/tamura.html

「東海地震時の危険性から浜岡原発を休止せよ」という市民グループ(反原発の立場ではない)は,「原発側が言う安全性は矛盾だらけなんですよ。原発の重要な建物は,建築基準法の3倍の強度で作っているから大丈夫というが,通常の耐震基準は建物が壊れても人身に被害が及ばないことを基準にしており,放射能漏れは,建築基準法の範疇ではない。また,1・2号機は最大450ガル(揺れを示す加速度)までの耐震設計。3・4号機は600ガルです。しかし,阪神・淡路大地震では,800ガル以上の揺れを記録しています」と怒りをあらわす。

(略)

更には,津波による被災警告もされている。昨年12月には「政府中央防災会議」が”東海地震に関する専門調査会報告”を発表した。東海沖などでM8級以上の巨大地震が発生した場合,「関東から九州にかけての広域沿岸部に高さ5〜10mの大津波が押し寄せる危険性」が強調されている。民間地震研究家との相互情報交換と,公的機関のウオッチングを行っている鹿嶋實氏によれば,「これは,震源域に近い静岡県・浜岡原発の被災を具体的に心配したものでしょう。まず津波襲来前の引き潮で大量の冷却用海水の取り入れが停止し,数分にして炉心爆発が起きる。そして本番の大津波は高さ5mの外塀を乗り越え,大規模な水素爆発で放射能がまき散らされる。そもそも浜岡原発だけでなく,日本の原発はM6.5までの直下型地震にしか耐えられない構造なので,他地域の原発でも致命的なトラブルが続発しそうです」

95年に京大原子炉実験所助手だった瀬尾健氏(故人)が,浜岡原発の3号機がメルトダウンを起こして格納容器が破損した場合の被害を予測している。それによれば,放射能汚染によって,10万人以上が急性死するというのだ。これだけでは収まらない。放射能は風や雨によってさらに遠方に運ばれ,残留し続ける。居住不能地域は,名古屋,大阪,東京を含む。しかし大都会であるほど避難は困難を極める。その結果,「将来のガン死者数は,首都圏で434万人。西の名古屋方面に広がれば200万人にのぼる。これはまだ希望的観測といったほうがいいかもしれない。現在,浜岡原発では4基が稼働中ですが,5号機の建設が進んでいます。もし,これが一斉にメルトダウンすると,広島の原爆数十個分の被害になります。首都圏や関西圏でも急性死する犠牲者が出るでしょう。死者は 1000万人以上,いやその倍になるかもしれない。当然,永田町は全滅し政府機能は麻痺,在京企業も全て被爆するため,復興もできない。チェルノブイリの時も日本まで放射の(原文ママ)が降ったくらいですから,こうなると日本だけの被害だけでなく,地球規模の被害です。阪神・淡路大地震とはまったく比較できない」と指摘する科学ジャーナリストもいる。



チェルノブイリ診療記
posted by はなゆー at 11:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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