(2006年6月27日の朝日新聞)
http://www.asyura.com/0601/senkyo23/msg/454.html
小泉首相が22日の経済財政諮問会議で「歳出をどんどん切り詰めていけば『やめてほしい』という声が出てくる。増税してもいいから必要な施策をやってくれ、という状況になるまで、歳出を徹底的にカットしないといけない」と発言していたことがわかった。27日に公表された会議の議事録で明らかになった。
首相は「ヨーロッパを見ると野党が(増税を)提案するようになっている」と、欧州の消費税をめぐる論議を引き合いに出し、増税には徹底した歳出削減が必要との考えを強調した。
☆平成18年6月22日の第16回経済財政諮問会議議事要旨
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/minutes/2006/0622/report.html
(注:PDFファイルである)
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/minutes/2006/0622/shimon-s.pdf
(小泉議長)
私も、目先の政策を行う場合にも、中長期的なあるべき姿から考えなくてはいけないということを就任以来言ってきた。毎年度の予算を編成する場合にも、5年、10年先を見て、一つのあるべき姿を見て、来年どうやるべきか。それは大事だ。 郵政民営化を掲げるから、ドン・キホーテと言われているけれども、私は冷厳な現実主義だと思っている。
消費税は私の在任中上げないと言ったら無責任だと言われた。私が就任時の目標どおりプライマリー・バランスを黒字化すると言ったら、既に消費税の法案を出している。今までのやり方だったら、公共事業を増やさなくては景気は回復してこない。それが、公共事業をマイナスにしても税収が上がってきた。長期的な目標を大事にしつつ、現実の対応はいろいろある。公共事業をマイナスにしても、消費税を上げなくても、歳出削減に取り組んで規制改革をやってきている。政府にも自民党にも、こういう発想は今までなかった。そこが大事だ。
来年度の予算を編成するにしても、中長期的な目標、あるべき姿を考えるのは大事である。しかし、状況というのは、公共事業をとってみても、消費税をとってみても、必ず変わってくる。消費税を上げないのは無責任だと言っているが、そう言った人たちも、今年も来年も消費税法案を出せるはずがない。現実に、私の言っているとおりになっている。 これから情勢が変わり得る。
歳出削減をどんどん切り詰めていけば、やめてほしいという声が出てくる。増税をしてもいいから必要な施策をやってくれという状況になってくるまで、歳出を徹底的にカットしないといけない。
そうすると消費税の増税幅も小さくなってくる。 これから、歳出削減というのは楽ではないことがわかってくるだろう。今はまだ分かっていない。歳出削減の方が楽だと思っている。
歳出削減を徹底していくと、もう増税の方がいいという議論になってくる。
ヨーロッパを見ると消費税は10%以上、ドイツは19%、与野党が反対、反対と言っていたのが一緒になった。みんな10%以上である。野党が提案するようになっている。
情勢を見ながら、歳出削減をどんどんやっていくとどういう状況になっていくか。長期的な展望は大事だが、これから柔軟な対応が打てるような幅はとっておかなくてはいけない。
言っていることには大した違いはないが、現実の対応はそこで違う。一見不可能というものが可能になる場合もあるし、可能と思ったのが不可能になる場合もある。この5年間を見てみたら、全部そうではないか。そういう5年先、5年経った後の更に5年先。そういうことを言っているので、その辺をよく調整してやってほしい。
☆「社会保障費毎年2,200億円抑制」は削除されたが…小泉「骨太」政策の狙いは消費税率の大幅アップだった
(2009年6月25日のJANJAN)
http://www.news.janjan.jp/government/0906/0906255754/1.php
悪名高い「社会保障費毎年2,200億円削減」の方針は、2006年6月に小泉首相を議長とする「経済財政諮問会議」で決定され、「骨太の方針06」として小泉内閣が決定したものです。
この方針によって、医療・介護・生活保護・障害者福祉など人々の命や健康にかかわる予算が軒並み削られた結果、医者不足で救急病院をタライ回しされて死亡した奈良の妊婦、生活保護が受けられず餓死した北九州の男性、リハビリ期間が大幅に短縮され機能回復せず生きる望みを失って死亡した障害者の方、介護サービスを受けられずアパートで孤独死した老夫婦など、今までの日本では起こり得なかったような悲劇が日本全国で繰り返されるようになりました。
政府の説明によると、この方針は2006年時点で2011年度に国・地方のプライマリーバランス*の黒字化を達成するために小泉内閣が「聖域なき歳出削減」をあえて断行した結果であるとのことでした。
(*プライマリー・バランスとは、過去の債務に関わる元利払い以外の支出と公債発行などを除いた収入との収支のバランスを言います。)
この政府見解とは異なる小泉首相自身の発言を2006年6月27日付朝日新聞は次のように伝えています。
(略)
この短い記事から読み取れるのは、当時の小泉首相の本当の狙いは「財政再建」ではなく別のところにあったことです。
小泉氏にとって「財政再建」や「プライマリーバランスの黒字化」などはどうでもよく、彼の真の目的は「『やめてほしい』と国民が言うまで予算を切り詰める」「国民から『増税してもいいから必要な施策をやってくれ』と言わせてから増税する」ことだったのです。
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