2006年03月27日

戦争倫理学

「戦争倫理学」。

加藤尚武・著。

ちくま新書(筑摩書房)

価格:¥735 (税込)


九・一一以後、世界は戦争に向かって地滑りを起こしているのかもしれない。こうした状況にあって、ともすると人は、戦争が生み出す悲惨な現実に慣れてしまい、正気を失ってしまう。まやかしの議論に乗せられないためには、戦争に関する最低限の議論を知っておかなくてはならない。

本書は、そうした重要論点を整理し、戦争抑止への道を探る戦争倫理学の試みだ。同時多発テロに端を発する米国の軍事行動、ロールズの原爆投下批判、憲法九条問題などが取り上げられており、いま、戦争について冷静に考え、実りある議論をするための、重要な手がかりを与えてくれる。

▼ 著者略歴 ▼

加藤 尚武

1937年東京都生まれ。東京大学大学院文学研究科(哲学)博士課程中退。千葉大学文学部教授、京都大学文学部教授などを経て、現在、鳥取環境大学学長。専門は生命倫理学、環境倫理学、応用倫理学。『哲学の使命―ヘーゲル哲学の精神と世界』(未来社)で第3回和辻哲郎文化賞受賞。

▼ 目次 ▼

戦争に関する正気とは何か

戦争の二種類のルール―戦争目的規制(jus ad bellum)と戦闘経過規制(jus in bello)

連続テロに対する報復戦争は正当か―私の第一の反戦メイル

国家という猫には誰も鈴をつけられない―トーマス・モアの処刑とグローティウスの戦争論

アメリカの良心は「ヒロシマ」に「ノー」と言った―ロールズの原爆投下批判

ゲルニカを忘れないで―私の第二の反戦メイル

鉛の兵隊さんはどうして美しい制服を着ているのか―傭兵軍から国民軍への転換

カントの「永久平和論」

人は共和国のために命を捧げる―ヘーゲルの考えた国家と戦争の関係

戦争をした日本は有罪か―「東京裁判史観」と東京裁判の問題点
〔ほか〕

posted by はなゆー at 10:33| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 書籍やDVDなどの紹介 ☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。