陸を拒み、文明に背を向けて生きる自由の民バジャウ族。カレンダーも数字も存在しない海上での生活を、ドイツ人の女性写真家が叙情的に綴る。熱帯の海に生き、単純ななかに幸せを見出していく天才たちの物語。
ミルダ・ドリューケ著、畔上司・翻訳。
価格:¥3,045 (税込)
草思社。
ドイツ人の女性写真家が、インドネシアの漂海民バジャウ族と過ごした日々を叙情的に綴ったノンフィクション。陸上には病気と邪悪な霊があふれていると信じ、必需品を入手するとき以外は陸の人間と接触しないバジャウ族。時間を区切るのは自由を失うことと考え、そのとき自分が体験することに最大の価値を置く暮らしのなかで、著者はいつしか深い充足感に満たされていく―。熱帯の海に生きる「単純ななかに幸せを見出していく天才たち」の物語。
▼ 目次 ▼
海への憧れ、漂海民に会いたい
時間を超えた深い安らぎ
すべてが肉感的で美しい熱帯の島
バジャウ族は時間もお金も、物を所有することも理解しない
淡々と生きることはとても難しい
時間を区切るのは自由を失うことだ
自他の境界が消えてしまう「海洋性の自我障害」
よけいなもの、無意味なものはなく、すべてに意味がある
幼い女の子の目に映る「人生の知恵」
持ちつ持たれつの共生、お礼は言わない
自分自身を探し求めて、わたしは「侵入」する
ありのままの自分を生きる自由な人間