2010年10月19日

〔史料〕中村哲医師「自衛隊アフガニスタン派兵は百害あって一利なし」

「政府は、アフガニスタンへの新たな復興支援策として、医療分野の教育や訓練に当たるため、自衛隊の医官らを現地に派遣できないか検討を始めましたが」

「自衛隊員を派遣すれば、タリバンの攻撃の対象にされ、安全を保障できない」



☆復興支援 自衛隊員派遣を検討 (NHK)

http://www.nhk.or.jp/news/html/20101018/t10014638611000.html

http://www.asyura2.com/10/warb6/msg/127.html

こうしたなかで、政府は「民間人による支援だけでなく、自衛隊も参加した支援を実施すべきだ」として、現地の医療関係者の教育や訓練に当たる自衛隊の医官や看護官数人を年内にも派遣できないか検討を始めました。

 
          ↓


ChikachuTamika
http://twitter.com/ChikachuTamika/status/27793772037
アフガンへの自衛隊派遣は「百害あって一利なし」と、08年11月に中村哲さんが参院外交防衛委で証言。同時にJICA職員も「やめて欲しい」。




▼ 第170回国会 (参議院)外交防衛委員会 
平成二十年十一月五日

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/170/0059/17011050059004c.html


参考人

ペシャワール会現地代表     中村哲君

独立行政法人国際協力機構広報室長  力石寿郎君



○参考人(中村哲君) 中村です。

 ペシャワール会現地代表として発言を許していただきたいと思います。

(略)

 さらに、対日感情につきましても、これは少しずつ陰りが見えてきておるということは私は是非伝えておく必要があると。かつて広島、長崎というのは現地では有名でありまして、アフガン人の知識人のほとんどは、アフガニスタンの独立と日本の独立が同じ日だというふうに信じている人が多いくらい親日的なんですね。ところが、最近に至りまして、米国の軍事活動に協力しているということがだんだん知れ渡ってくるにつれて、私たちも身辺に危険を感じるようになりました。

 やはり、あの最も親しいと思っていた日本が同胞を殺すのかと思えばこれは面白くないわけでありまして、これは日々日本に対する感情は悪くなっているということははっきり言ってもいいんじゃないかと思います。かつては、我々、外国人、欧米人と間違えられないために日の丸を付けておれば、まず山の中のどこに行っても安全だった。ところが、今その日の丸を消さざるを得ないという状況に立ち入っているというのが現実であります。

(略)


○参考人(中村哲君) お答えします。

 外国の軍事面の援助は一切不要でございます。

 具体的な例を挙げますと、これがすべてのアフガン全土に通用するかどうかは別といたしまして、PMS、ペシャワール会のワーカーである伊藤君が死亡した後、現地の治安当局と地元住民が話合いをしまして地域治安委員会というのをつくり、そこが我々を防衛するという形を取っておる。何のことはない、これが伝統的なアフガニスタンの治安体系でありまして、旧タリバン政権もそれにのっとってアフガニスタン全土を治めたという経緯があります。

 それを考えますと、治安問題というのは基本的に警察の問題であって軍隊の問題ではないということが私たちの基本的な認識でありまして、物取り強盗からあるいは武装集団の解決に至るまで、これは地域長老会、地域共同体と密接にありますそういった治安委員会の設立によりまして、少なくとも、アフガニスタンの都市部は別といたしまして、農村部ではそれが最も良好な形態でありまして、陸上自衛隊の派遣は有害無益、有害無益という言葉が嫌ならば百害あって一利なしというのが私たちの意見でありまして、要するに軍事面に関与せず、そういった地域の自治体制に沿った形での治安体制の確立、これは十分可能なことではないかと思います。

 ただし、これはアメリカのPRTあるいはNATO軍とは無関係なところで日本独自で進めれば、私は武装解除、武装解除プロジェクト、外務省が行いました武装解除プロジェクトというのがありましたが、案外これは十分希望が持てるのではないかというふうに思っております。

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posted by はなゆー at 11:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 史料倉庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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