http://mytown.asahi.com/miyazaki/news.php?k_id=46000001101130001
http://www.asyura2.com/09/genpatu6/msg/714.html
原子力発電所立地の賛否を問う市民投票を4月に予定する串間市が、原発問題について市民に情報提供するため印刷・製本を進めていた国の副読本「チャレンジ!原子力ワールド」約7800部が12日、市役所に届き、市は各戸配布するための発送準備を始めた。
(略)
国作成の資料配布を巡っては、市民団体・串間未来会やJA串間市大束青年部など4団体が「一方的な情報提供だ」として配布を取りやめるよう、市と市議会に陳情。市自治会連合会は「資料提供は利点・欠点の両方を配布すること」を求めて市議会に陳情を提出したが、昨年12月議会でいずれも不採択とされた。
串間未来会の山下芳数代表(51)は「市は原発のメリット、デメリットの両方を公平に市民に説明するべきだ。偏った情報提供はいけない」と話す。
☆わくわく原子力ランド
(2010年4月1日の「きっこの日記」)
http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=338790&log=20100401
で、小学生用の「わくわく原子力ランド」も、中学生用の「チャレンジ!原子力ワールド」も、書いてあることはおんなじで、表記や表現が対象年齢に合わせてるだけなので、ここでは「わくわく原子力ランド」のほうだけを紹介する。現物はPDFで見ることができるので、ジックリと読んでみたい人は
http://www.enecho.meti.go.jp/genshi-az/pamphlet/
をどうぞ。
(略)
で、そんなメンドクサイヤ人のためにザクッと解説すると、全体的には「電気のこと」や「発電のこと」を普通に教えてるみたいな形を取りつつ、最後まで読むと「原発は素晴らしい!」「原発こそが地球のための発電だ!」って思い込むように周到に編集されてる洗脳本だ。
(略)
‥‥そんなワケで、あまりにもペテンだらけの「わくわく原子力ランド」だけど、あたしが何よりも呆れ果てたのは、原発の安全性に関する大ウソだ。この本の後半の「事故の教訓から学ぶ」ってとこで、これまで起こった大きな原発事故として、「スリーマイル島」と「チェルノブイリ」と「茨城県のJOCウラン加工施設」の事故の概要が書かれてるんだけど、これがまた酷いものだ。
たとえば、「スリーマイル島」の事故なんて、「放射性物質の放出量はわずかで、健康には問題のないひくいレベルでした。」なんて平然と書かれてる上に、原発自体には何の問題もなく、あくまでも人的ミスによる放射性物質の漏洩事故だってことにされてる。確かに、事故の当初は人的ミスって言われてたけど、あとから調査したら、圧力容器に亀裂が見つかり、一歩間違えばチェルノブイリ並みの大事故になってたって言われてるのに、そんなことはヒトコトモ書かれてない。つまり、事故について書いていながらも、正しい情報を公開しないで、「原発推進」に都合のいい部分だけを書き、「人的ミスだけ防げば原発は安全だ」ってことをアピールしてるのだ。
そして、「チェルノブイリ」に関しても、当然のことながら、こうした悪質な誘導が行なわれてる。何しろ、被害についての表記が、「31人の死者が発生し、また、放射線による病気で多くの人々が苦しみました。」っていう一行なのだ。これを真に受けた子供は、「世界最大の原発事故でも31人しか死ななかったのか」って思うだろう。だけど、この「31人」てのは、事故で直接亡くなった人の数で、これにしたって、ソ連(当時)の発表では「33人」になってる。そして、何よりも恐ろしい「事故後の死亡者」に関しては、推定で4万人、IAEA(国際原子力機関)の公式見解でも「推定4000人」て発表されてるのに、この「わくわく原子力ランド」では、「放射線による病気で多くの人々が苦しみました。」のヒトコトで片づけちゃってるんだから酷すぎる。それも、未だに苦しんでる人たちがたくさんいるのに、「苦しみました」って過去形だし。
ニポン政府は、広島と長崎の原爆の犠牲者については、爆撃で亡くなった人たちだけじゃなく、爆撃後に被爆が原因で亡くなった人も統計に含めるって公式見解を出してる。それなら、この「チェルノブイリ」の原発事故に関する記述だって、IAEAの公式見解に沿って「推定4000人の人たちが犠牲になった」って書くべきだろう。それを「31人の死者が発生し、また、放射線による病気で多くの人々が苦しみました。」だなんて、あまりにも意図が見え見えだ。そして、こうした原発事故の意図的な過小報告を並べたあとに登場するのが、開いた口からエクトプラズムが出て来て幽体離脱しちゃうほどの大ウソだ。
「日本では、このような事故を教訓に、原子力施設での事故をふせぐしくみを見直し、前よりも安全を確保するしくみとなっています。運転員の訓練をふやし、また、万一、運転員のミスが起きても安全機能がはたらくようなしくみ、つまり、事故が起きないように、また起こったとしても人体や環境に悪影響をおよぼさないよう、何重にも対策が取られています。」
おいおいおいおいおーーーーい!全国の原発で毎週のように事故が連発してて、その多くが同様の人的ミスで、過去の事故なんて1ピコグラムも教訓になってないのに、よくもまあ、こんな大ウソを子供たちに吹き込もうとしてるもんだ!