2011年02月26日

山中で死亡した「もんじゅ」燃料環境課長と「謎の3億7千万円」

☆もんじゅ 燃料環境課長が自殺 (2月22日の毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110222-00000008-mai-soci

http://www.asyura2.com/09/genpatu6/msg/734.html

高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で昨年8月、原子炉容器内に誤って落とした燃料の炉内中継装置が破損し抜けなくなったトラブルで、装置を現場で担当する燃料環境課長(57)が自殺していたことが分かった。複数の関係者によると、課長は休日の今月13日、家族に「ちょっと出てくる」と伝えて外出したまま戻らなかったため、県警敦賀署に捜索願が出されていた。数日後、同市内の山中で遺体が発見された。日本原子力研究開発機構の関係者は「自殺の理由はよく分からない」と話した。


               ↓


☆『もんじゅ』課長自殺周辺の不審な巨額費用 (Blog vs. Media 時評)

http://blog.dandoweb.com/?eid=118079

http://www.asyura2.com/09/genpatu6/msg/745.html

高速増殖炉『もんじゅ』(福井県敦賀市)で原子炉容器内に落下した燃料交換用の炉内中継装置を担当していた燃料環境課長(57)が自殺していたことが今週、伝えられました。自殺の理由について日本原子力研究開発機構は何の説明もしていませんが、前後して報道された事項を並べると不審な巨額費用が目に付き、ありがちな鬱病症状からの自殺とは思えません。何かが隠されていて、それが自殺の引き金になっている可能性があります。

毎日新聞の《もんじゅ:現場課長自殺 “要”失い無念 「影響出ないように」》
http://www.asyura2.com/09/genpatu6/msg/742.html
は「もんじゅの燃料取り扱いは、ナトリウムと空気が触れないようにするため、軽水炉よりも装置の構造や動作が複雑になる。このため今回落下した炉内中継装置のように、もんじゅ特有の機器も多い。課長は燃料の取扱設備についての特許もあり、この分野に長年一貫して携わってきた“スペシャリスト”だった」と報じています。本来、この現場に欠くことができない人物だったようです。

自殺があった13日前後の出来事を整理しましょう。変形して炉内から抜けなくなった炉内中継装置を、原子炉蓋の一部ごと引き抜く復旧作業を請け負うことになった東芝と契約したのが10日です。14日にはその記者発表が予定されていました。旧動燃の時代から第130回「もんじゅ判決は安全審査を弾劾した◆手続きの公正さ、技術レベルへ疑念」
http://dandoweb.com/backno/20030213.htm
を参照していただけば判るように、『もんじゅ』では自前の設計などせず、完全に業者「丸投げ」で仕事をしてきました。契約が終わって課長の肩の荷は下りたはずでした。ところが日曜日の13日に家族に「ちょっと出てくる」と言い残して課長は外出し、山中で自殺したのでした。


14日に発表されたのは《もんじゅ復旧に13億8千万円 装置落下事故》(福井新聞)
http://www.asyura2.com/09/genpatu6/msg/743.html
でした。「原子力機構によると、変形して使えなくなった装置を新造するのに約4億4千万円、装置回収に使う器具の製造などに約9億4千万円が必要で、いずれも東芝と契約を結んだ」

そして15日になると朝日新聞が《もんじゅ装置落下、復旧に17億円》
http://www.asyura2.com/09/genpatu6/msg/744.html
と大きく違う金額の記事を書きました。「落下した装置の状態を観察する3億7千万円の作業を同社と随意契約したほか、計9億4千万円に達する装置本体の引き抜きと復旧作業も随意契約で発注した。4億4千万円かかる新しい炉内中継装置の製作は一般競争入札にしようとしたが、同社しか応札しなかった」


「落下した装置の状態を観察する3億7千万円」はなぜか当初の記者発表から隠されていたようです。そして、穴から抜けなくなっている炉内中継装置を詰まっている穴周りの大型金属リングごと引き上げるために、こんなに巨額の事前観察費用が必要でしょうか。既に1月18日には「炉内中継装置のこれまでの状況及び今後の進め方」
(注:PDFファイルである。グーグルクロームブラウザ使用なら読み取れるが、他のブラウザでは読み取れない可能性がある)

http://goo.gl/tB04J
が公表されて、詳細な観察結果は表に出ています。


撤去作業の妥当性を助言する検討委員会の第1回は1月18日、第2回は2月24日でした。下の工程図
http://blog.dandoweb.com/images/IVTM.jpg
では「落下状況等の調査・分析」はもう終わりに近づいていますし、実務作業は始まっています。どこで3億7千万円も使う場面があるのでしょうか。

これだけ大きなお金は人件費では使い切れず、かなりの装置を作ることが前提でしょう。本当は別な事柄をするための隠れ蓑になっている可能性があります。ここに隠された重大問題があって、自殺した課長の心労になっていたストーリーなら理解できます。




《関連記事》

☆損傷の炉内中継装置 製造費4億4千万円 福井
(産経新聞。2月15日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110215-00000013-san-l18

http://www.asyura2.com/09/genpatu6/msg/729.html

高速増殖炉もんじゅの炉内中継装置が落下した事故で、損傷した中継装置の再製造費について、約4億4千万円の製造費がかかることが14日、明らかになった。

原子力機構によると、平成24年12月28日を納期とする本契約を10日、東芝と締結。平成23年度予算に計上した。一般競争入札で事業者を公募したが、東芝の1社応札となった。

炉内中継装置の引き上げと復旧にかかる工事費9億4千万円と合わせると、工事の全体費用は約13億8千万円となる。



☆もんじゅ 原子炉容器内に装置落下 撤去に9億円
(毎日新聞。2月5日)
http://www.asyura2.com/09/genpatu6/msg/726.html

高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で昨年8月、燃料交換に使う炉内中継装置(3.3トン)を原子炉容器内に誤って落としたトラブルで、装置の撤去費用が9億3700万円に上ることが5日分かった。

日本原子力研究開発機構によると、装置を原子炉容器の上ぶたの一部ごと取り外すため、新たな設備を製作したり仮設したりするほか、引き抜き前の試験なども必要という。しかし、落下の衝撃で破損した中継装置の再製作費や人件費は含まれていないため、復旧総額はさらに膨らむ見通し。

原子力機構は1月28日、メーカーの東芝と随意契約した。




☆もんじゅの核燃料交換用装置落下、復旧に9億円
(読売新聞。2月5日)
http://www.asyura2.com/09/genpatu6/msg/727.html

日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で昨年8月、核燃料交換用装置が原子炉容器内に落ちたトラブルで、同装置を引き抜く工事などに9億3700万円かかることがわかった。

機構によると、同装置を製作した東芝と1月28日に復旧工事の契約を締結。機構は近く装置を引き抜く準備を始め、必要な機器の製作などを行う。


posted by はなゆー at 09:21| Comment(1) | TrackBack(0) | キャスターメモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご指摘のPDFファイルをのぞいてきました。
炉内中継装置引抜き・復旧工事はもう始まっているのでしょうね。

原発労働に関する過去のエントリーにここ1ヶ月余り検索からのアクセスが多く、滞在時間も長くなっています。
原発労働・原発作業・被曝などのワードが多いですね。公式発表のない事故でもあったのかと疑っていました。それとも、これから作業に従事する人が念のために調べていたのか?

単なる杞憂であればいいのですが。
Posted by nanaya at 2011年02月27日 16:08
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