2011年07月28日

チェルノブイリ・ハートの併映作品「ホワイトホース」英語字幕版

White horse (M. De Leo, Christophe Bisson, USA, 2007)
http://vimeo.com/18427727
White Horse is a short documentary by filmmakers Maryann DeLeo and Christophe Bisson that features a man (Maxym Surkov) returning to his Ukraine home for the first time in twenty years. Evacuated from the city of Pripyat, Ukraine in 1986 due to the Chernobyl disaster, he has not returned since then.



『ホワイトホース』上映時間15分
http://yosinori.tumblr.com/post/8138257146

●映画の内容

マキシム・スルコフはチェルノブイリ事故当時6歳で被爆する。チェルノブイリから3Kmにあるウクライナ共和国プリピャチに住んでいた。48,000の住民は3日の内に避難する命令が下り彼とその家族も退去した。すぐに戻れるものと思いながら・・・。
そして事故から20年後(2006年)、マキシムはかつての我が家に戻った。


「プリピャチ」(ウィキペディア)
チェルノブイリ原子力発電所の従業員ら約4万8000人の居住地として1970年に創建された街で、同発電所が市中心部の4キロ南に位置する。当時は地図上にない機密都市として存在していた。
http://bit.ly/nmEJAI


【場面1】
出発:ウクライナのキエフ(爆心地から150Km)
強制退去地域(爆心から30Km)を通過。
マキシムがマリアンに質問する。
『放射能とは何か?』
マリアン『・・・』
マキシムが続いて同じ質問を繰り返す。
さらに『死を意味するのか?』
マリアンが長い沈黙の後、ただ『イエス・・・』と。


【場面2】
誰もいない町、プリピャチに入る。
マキシムは最初、無邪気に『ここだ、あそこが僕の家だ』と。
荒れ果ててはいたがそこには確かに「家」が残っていた。
車を降りて団地の中庭に入ると、一瞬沈黙。『何って事だ』
『ここは僕がいつも遊んだ場所』20年前の記憶が蘇る。


【場面3】
団地内の我が家に入る。
階段を登りながら、何度も『何って事だ』と繰り返す。『火事場泥棒にあっていないのかな・・・』
そして、自宅内へ。そこのベランダからはあの原発が見える。
最初に1986年のカレンダーを見つける。おもむろにそれを破きながら、全てはこの日に『台無しにな った』と叫ぶ。
居間だった場所の壁に「白い馬」の写真が・・・両親が撮影したものだ。声もなく何度も写真を撫でる。
何度も!別の部屋へ行くと遊びに使った縞の模様の入ったゴムボールを見つける。そして6歳の時に自分 でガラスドアに描いた絵を驚きながら見つける。一瞬笑ったようにも見えたが・・・。
少しして、また「白い馬」の部屋に戻る。手にはあのゴムボールを持ったままで。ボールを壁に何度も押 し付ける。『ここに戻りたい』と静かにつぶやく。しかしそれは出来ない。

そして、「僕の家」を玄関からしばらく見詰めて、おもむろにあのゴムボールを激しく投げつけて階段を 降りていく。

『親戚の10人もががんで死んだ。放射能と無関係だと言われることを僕が信じると思うかい?僕もそれ で死ぬんだ。まったくの犬死さ』

この撮影の1年後、マキシムは死去した。享年27歳。(合掌)



最後のエンドロールでナジム・ヒクメットの詩が流れる。それは全編を見終わって、さらに私の心を掻きむしり、目に熱いものを込み上げさせた。25年経ってもこの有様である。
これが福島の地の将来であってはならない。

White horse (M. De Leo, Christophe Bisson, USA, 2007) from Christophe Bisson on Vimeo.


posted by はなゆー at 14:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 動画史料 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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