【全農系会社が偽装鶏肉、国産に輸入7トン混入】
全国農業協同組合連合会(全農)系の鶏肉加工会社「鹿児島くみあいチキンフーズ」(鹿児島市)が、 コープネット事業連合(さいたま市)に納入した鹿児島県産の産直若鶏の中に、タイや中国産鶏肉を少なくとも7トン混ぜていたことが、4日明らかになった。
偽装はBSE(牛海綿状脳症=狂牛病)騒ぎで、鶏肉の需要が急増し、欠品対策として全農の子会社「全農チキンフーズ」(埼玉県戸田市)の指示で行われたといい、農水省では会社ぐるみの組織的な偽装工作とみて、きょう5日にも、JAS(日本農林規格)法違反容疑で立ち入り検査を実施し、全容解明に乗り出す。
問題の商品は、東京、千葉、埼玉など首都圏6生協が加盟する同連合と全農が共同で企画した「無薬飼料飼育産直若鶏」の手羽肉。抗生物質を使わず、非遺伝子組み換えの飼料で飼育するというのが売り物。鹿児島県内の104戸の指定農家が飼育し、鹿児島くみあいチキンフーズの2工場で食肉処理。
同連合が組合員の共同購入用に全農チキンフーズから仕入れている。鹿児島くみあいチキンフーズは同県経済連の100%子会社。
同連合や全農チキンフーズによると、偽装は鹿児島くみあいチキンフーズから「BSEの影響で需要が3割程度増え、原料を調達できない」との連絡を受け、全農チキンフーズ首都圏支店営業部長の指示で行われた。鹿児島くみあいチキンフーズの鹿屋工場(鹿児島県鹿屋市)で、昨年11月から始まり、同月出荷分のうち、約1万5700パック(1パック約400グラム)に、タイと中国産の鶏肉が使われた。
偽装は12月になっても続けられたといい、12月分の少なくとも2000パックに輸入肉が使われたことがわかっている。同連合によると、無薬飼料飼育若鶏の仕入れ値は、輸入肉に比べ、1キロ・グラムあたり200円程度高いという。
また、偽装された鶏肉の加工場所が、ふだん同連合向けの鶏肉を加工している川内工場(鹿児島県川内市)と表示されていたこともわかり、厚生労働省は4日、食品衛生法違反の疑いで調査を始めた。
同連合の中西久治常務理事は「組合員は安全性を重視して生協の商品を購入しており、絶対に許せない」と話している。
全農チキンフーズの佐々木勝夫社長は同日記者会見し、「あってはならないことを起こしてしまい本当に申し訳ない」と謝罪した。
一方、全農は4日、「子会社である全農チキンフーズが社会的にあるまじき行為をしたことは、誠に遺憾であり、このようなことが2度と起こらないよう、法令順守を徹底してまいります」とのコメントを出した。
(読売新聞) [3月5日1時40分更新]
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