2007年02月10日

格差問題で中川自民党幹事長が論拠とするデーターには問題あり

☆公務員給与減額を 中川幹事長(2月8日の産経新聞)

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/e20070208014.html

http://www.asyura2.com/07/senkyo30/msg/907.html

自民党の中川秀直幹事長は8日午前、京都市内で開催中の関西財界セミナーで講演し、民主党の小沢一郎代表が通常国会の代表質問で、小泉、安倍両政権で日本が世界で最も格差のある国になったと指摘したことについて「内閣府の日米欧7カ国調査でも、生涯賃金格差は日本が最も小さいとの結果が出ている」と反論した。そのうえで、「絶対的貧困率が先進国で最悪クラスとは何を根拠に言っているのか、国民をだます政治的デマゴーグを行っているとしか思えない」と話し、民主党を牽制(けんせい)した。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

中川幹事長のこの発言について、有力ブログ「非国民通信」は、次のように異を唱えている。

        ↓

☆政治的デマゴーグを行っているとしか思えない(非国民通信)

http://www.asyura2.com/07/senkyo30/msg/907.html

http://blog.goo.ne.jp/rebellion_2006/e/e377e2b41749f0c08cb743cbb55242ae

これはなかなか不思議な発言です。一般によく知られるOECDの調査によれば所得格差を表すジニ係数は2000年の調査を境にOECD平均を上回り、所得格差の拡大傾向をはっきりと示しています。ただしジニ係数については所得の定義の曖昧さの故に調査側の意図次第で大きく数値が変動する場合があり、政府筋の調査では日本のジニ係数は平均的な水準にとどまっています。とはいえ、別の指標である貧困率を見ますと日本はOECD26ヶ国中5位(2004年)でOECD平均を大きく上回り、貯蓄を全く持たない世帯が日本全体の22.8%(2005年)を占めるに至っているのもまた事実です。

ちなみに、中川幹事長が言及している内閣府の調査とはどうやらこれ(注:PDFファイルである)

http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis180/e_dis172.pdf

のようです。

これを見ると、OECDが一般向けに公表しているジニ係数とは大きく異なった数値が提出されていることが目につきます。ジニ係数の計算式に代入すべき所得の定義が曖昧なため、その辺の取捨選択によって結果を大きく操作できるわけでして、その辺を最大限に活用したもののようです。

この調査でのジニ係数はpdfの表3−6にあるわけですが、この表に付けられた備考にはこうあります。日本の「就業基本構造基本調査」は正規雇用・・・ つまり、正社員と非正規雇用の格差を算定の対象から外し、正社員限定でジニ係数を計った結果を資料として提出しているようです。

他にも、データの多くが1996年前後のものであるなど、現在の格差を語るためには意味をなさないものであったり、頻繁に登場する注釈が「男性労働者の賃金」であるなど、調査対象の偏りも気になります。

地域間格差:所得格差「小泉政権下で拡大」実証 本社集計(毎日新聞)

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070204k0000m010116000c.html

http://www.asyura2.com/07/senkyo30/msg/907.html

99〜04年の全国の市区町村の納税者1人あたりの平均所得に関し、格差の度合いを示す「ジニ係数」を年ごとに割り出したところ、02年を境に上昇したことが3日分かった。ジニ係数は毎日新聞が東京大大学院の神野直彦教授(財政学)の協力を得て割り出した。平均所得の最高値と最低値の差は3.40倍から4.49倍に拡大、小泉純一郎前政権の間に地域間格差が開いたことを示した。神野教授は「感覚的に論じられてきたものを初めて定量的に示せた」と指摘しており、地域間格差は4月の統一地方選の主要争点になりそうだ。

一応は内閣及び中川幹事長の側にもデータはあるようですが、それと真っ向から対立するデータはいくらでもありまして、最近のものではこんな調査結果があるわけです。どちらにより現状を正しく判断しているかは読者の皆様にお任せいたしますが・・・

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

★中川秀直幹事長が論拠とするデーターが1996年前後のものであることと、頻繁に登場する注釈が「男性労働者の賃金」であること。この2点は特に問題であろう。

★さらに「非国民通信」は

「給与に関しても誤解があります。かつて地方公務員の給与が民間の給与を14%上回るとの報道があるなど公務員の給与には非難囂々であるわけです。ところがこの手の調査結果を導き出すためにはしばしばトリックが用いられており、公務員の中でも事務系ホワイトカラーの給与のみを抜き出してその他の民間の給与と比較するなど恣意的に結果を導いたケースが大半であったりします。」

と指摘している。この点にも注意が必要。

★民主党サイドとしては、統計の専門家を動因して、中川秀直幹事長への反論をおこなう必要があるだろう。それはパワーポイントやグラフなどを駆使して、さらに解説のナレーション音声なども付け加えて、その反論の論拠を一般人にもすんなり理解できるような動画に仕立ててユーチューブに公開し、民主党を支持するブロガーたちのブログに貼り付けてもらうようにしておくことが望ましい。

政権与党に対抗するためには「文明の利器」のフル活用が欠かせない。

posted by はなゆー at 06:26| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事(国内) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック