2007年04月24日

沖縄の参院補選での与党勝利について沖縄育ち「やきとり」氏による分析

沖縄育ちの老獪なブロガー「やきとり」氏が、先日の沖縄の参院補選についてコメントした。

☆台所から政治を変える (謙遜と謙譲の音楽)

http://ch10670.kitaguni.tv/e369904.html

http://www.asyura2.com/07/senkyo33/msg/899.html

注目の沖縄の参院補選は接戦の末、自公が推す島尻あい子さんが当選を決めた。「島尻」というのは沖縄の苗字だが、島尻さん自身は宮城県の出身だ。小泉郵政選挙のときに「刺客」だの「くの一」だのと呼ばれた「落下傘候補」とすこし近い。もっとも14年前に沖縄へ嫁ぎ、那覇市議を2期務めた実績があるので、いまさら出身云々を言うつもりはない。

ただし民主党から自民党へ移籍しての参院出馬には頭をヒネらざるを得ない。つまり権力の蜜はサトウキビより甘いということなのか。

ところで今年の6月から本格的な「ビンボー人向け大増税」が始まるが、いわゆる定率減税の廃止を決めたのは2005年当時の小泉内閣である。つまり彼がよく絶叫していた「痛み」がいよいよ本格的にやってくるというわけだ。そのクセ大企業や金持ちには相変わらずの減税、人殺しの武器を買う予算はドカンと増額。美しい国である。

島尻さんの選挙でのキャッチフレーズは「台所から政治を変える」だ。自民党の増税政治のせいで庶民の台所を「火の車」へと変えてしまったクセに、いまさら「台所から政治を変える」などという耳ざわりの良い言葉を持ち出すのは卑怯である。卑怯は「あまりにも失礼じゃないですか」と言うなら、二枚舌か詐欺師だ。

応援に駆けつけた安倍さんまで「これからは基地問題ではなく台所なんです」なんて演説していたが、まあ庶民のふりをして議席さえ取ってしまえば、後は憲法を変えて戦争でも弱者いじめでも好きにできるという寸法だ。

《関連記事》

☆「台所から政治変える」 沖縄参院補選、島尻氏訴え実る (朝日新聞)

http://www.asahi.com/politics/update/0422/SEB200704220011.html

http://www.asyura2.com/07/senkyo33/msg/855.html

4人の子育ての真っ最中。島尻氏なら、従来の選挙で保守側が訴えた「経済」でも、革新側が唱えた「基地」でもなく、「暮らし」を軸に支持を得られるのでは。与党側はそう考えた。

選挙戦では「台所から政治を変える」と訴え、エプロン姿で練り歩いた。そして沖縄初の本土出身国会議員になった。

☆参院沖縄補選:揺れる「基地」「憲法」 民意見えず苦慮 (4月18日の毎日新聞)

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20070419k0000m010115000c.html

http://www.asyura2.com/07/senkyo33/msg/900.html

一方の島尻氏。16日はさとうきび畑が広がる本島南部の八重瀬町で、約350人の支持者を前に「台所から政治を変える。台所には知恵がある。例えば、やりくりという経済です」といつものように切り出した。

(略)

そこで徹底するのがイメージ重視戦術だ。演説で強調するのは具体的な課題以上に4人の子の母という視点からの「台所スローガン」。基地問題に触れることもほとんどない。安倍晋三首相も15日の沖縄入りで、政権の最重要課題と位置づける憲法改正についての言及を控えた。

☆参院補選応援演説の安倍首相にムカつくのは私だけ? (4月15日の「うさぎの小部屋」)

http://usagikobeya.blog68.fc2.com/blog-entry-452.html

http://www.asyura2.com/07/senkyo33/msg/901.html

沖縄での演説の一部がテレビニュースで報道されていた。額に緑の鉢巻をして叫ぶ。

「沖縄の皆さん、民主党や野党はこれまで何をしてくれましたか?何もしてくれなかったでしょう。こんな野党に政権を渡してもいいのですか?」

思わず「へっ?」なんて、下品な言葉が出てしまったよ・・・

「何もしてくれない?野党が?そんなの当たりまえじゃあないか。何かをするのが政府与党でしょうが。あんたたち自民党と公明党がよってたかって、沖縄を食い物にしてきたんじゃないか。『基地がなけりゃ沖縄はやっていけない』なんて言いながら、基地があっても沖縄はずーっと貧乏県じゃないか。経済活性なんて都合のいい言葉を使うが、返還後の沖縄はどの地域よりも豊かになったか?昔より平和で住みやすくなったか?沖縄の人の幸せのための政策なんて考えたことあるのか?」

《おまけ〜阿修羅掲示板の常連「ゆすらうめ」氏のコメント》

http://www.asyura2.com/07/senkyo33/msg/866.html

それにしても、日本人の錯覚をうまく逆手に取った方法ですね。
直球勝負では危ないと、ちょっと変化球で攻めてきたか。

それにしても、エプロン行列でころっと引っかかるとは、残念。
朝日の記者も違和感を感じてはいないようです。

女性>台所>エプロン>子育てって、なんだか、女性観の「死の
四重奏」みたいで、あまりの紋切り型に笑ってしまいます。

・台所は生活保守主義の砦(檻、か?)になりうる。

・エプロンもしかり。大日本婦人会、次は千人針か?

・「暮らし」という視点も、こうなると怖い。次は回覧板がきて、
 味噌醤油を貸し借り。最後に「纏められたり纏めたり」(隣組)。

・子育てを言えば自民党っぽくないと?青少年健全育成といえば
 聞こえはいいが、婦人会の十八番だった矯風運動だし、子供を
 生み育てる目的や教育の内容、何を考えているか恐ろしく疑問。
 子供が大好きで、子供とその親の心を真っ先に利用しようとする
 のがファシスト。赤紙が来てから後悔しても遅い。

「女性」は強力な戦争推進勢力になりうるし、ファシストの双葉は
「市民派」の形をしている。スパルタは「子育て」熱心だった……。

自民党に「少なくともこんなことは言わない」なんて決め付けは
通用しないんじゃないでしょうか。「目的のためなら手段を選ばず」
というのを、何度も見てきて、騙されてきたわけですから。

「改革の実績」とやらも、隠していたほうがいいときは隠す、そう
いうものでしょう。いかがでしょうか。

《さらにおまけ〜「反米嫌日戦線」による昨年11月の沖縄知事選の分析》

☆日本一オンナが安い沖縄で「基地問題」はどうでもよい(反米嫌日戦線)

http://anarchist.seesaa.net/article/27884801.html

http://www.asyura2.com/0610/senkyo28/msg/367.html

今年の9月で失業率が7.8%

そんな土地で行われた知事選だ。

(略)

朝日の出口調査で、「新知事に力を入れてほしい点」として、「経済の活性化」が56%、「基地問題」が28%という結果が出ていた。

「基地反対」では飯が食えない、というのが大衆の本音であったことを、糸数陣営は見抜けなかったのではないか。

民主党は暮らし・福祉を前面に選挙戦を戦おうとしたが、選対は「基地を前面に出すべきだ」と異論が相次いだという。素人集団の社民党と、お笑い共産党だと俺は想像するが……。逆に、自公推薦の仲井真は「基地問題」を前面に出すことを意図的に避け、当選した。

糸数さんが当選するためには、沖縄駐留の海兵隊による県民への「暴行」や「レイプ」しかなかった、というのは言いすぎだろうか?

そもそも、完全失業率が約8%にもなる沖縄で、「基地反対」を訴えて当選しようなどというのは、インテリの発想ではなかったか。

(略)

そんなに「本土」に擦り寄って、「名誉日本人」になりたいのか、と言いたくなってしまうが、大衆にとって大切なのは「明日の飯」だ。優雅に生活しているインテリ市民は、そこに気がつかない。

☆しつこく沖縄知事選惨敗 (反米嫌日戦線)

http://anarchist.seesaa.net/article/28715704.html

http://www.asyura2.com/0610/senkyo28/msg/762.html

「基地問題で実現可能性の低い公約を掲げても投票してくれない。革新勢力が根強い沖縄でも、旧来型の『反基地』の主張は否定されるようになってきた」

まさに、バカ左翼の無能ぶりを鋭く指摘した言葉ではないか。

対立候補の仲井真氏が前会長であった沖縄電力は、「後援会の入会カードを社員一人あたり10枚のノルマを課す」ほど徹底した企業選挙に打って出た。(週刊金曜日)

これは、選挙ならあたりまえのこと。革新側の労組は何をやっていたのか?敵は創価学会もいるのだから、泥臭いほどの選挙活動をしないと勝てませんよ。選挙は戦争なんだから。

自民湯を見てみろって。郵政造反組を参院選勝利のためにあっさり復党だ。いろいろモンクはあるだろうが、良くも悪くも、この柔軟性が欠けているんじゃないのかい?



posted by はなゆー at 09:38| ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 時事(国内) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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