2007年12月16日

アフガニスタン最新戦況に関して敏腕記者の分析

アフガニスタンなどの中央アジアのニュースに強い香港紙「アジア・タイムズ」の敏腕記者であるシャーザド(Syed Saleem Shahzad)記者の記事。

アフガニスタンの要地ムサ・カラ(Musa Qala)の戦況について、など。

・イギリス軍はヘルマンド州の都市ムサ・カラの中心部の数キロ四方の地域をタリバンから奪い返した。ゲリラ戦に徹するタリバンはあまり抵抗せずに明け渡したが、そのムサ・カラ周辺の村々のすべてを掌握しており、ムサ・カラを逆包囲するような格好になっている。

・ヘルマンド州の隣のカンダハル州のタリバン司令官の1人「はタリバンは当面の目標をアフガニスタン第二の都市であるカンダハル制圧のほうに向けていて、すでにカンダハル市近くのふたつの地区を占拠した」と言っている。

・NATOがヘルマンド州制圧に執着するのは、カンダハル州とヘルマンド州向けの電力を供給する水力発電所「Kajakiダム」の修復をしたいからだ。この地域の安全と電力供給を確保すれば、地元民の支持を得ることができ、さらに麻薬密売ルートの妨害ができると考えている。

・2001年に米軍やNATO軍があまり抵抗を受けずにヘルマンド州に入れたのは、地元部族たちがタリバンよりも新しい勢力を受け入れる決定をしたからだった。しかしその結果、地元部族が期待したさまざまなメリットがもたらされなかったばかりか、重要な換金作物であるケシの栽培を抑圧されることになった。そのため地元部族は外国軍を追い出す決定をした。そしてタリバンを消極的ながらも支持し、地域に入ってくることを許した。

タリバンはBaghran地区を完全に掌握している。その他の地域は、現在のところタリバンを支持する地元部族会議が統治している。

・NATOが地元の支持を勝ち取りたいならば、地元の部族民の伝統的自治を認め、さらにケシ栽培やケシ密輸を自由にやらせることだ。そうすれば地元部族はタリバンではなくNATOを支持するのではないか。しかしNATOとしては、この選択を採用するわけにはいかないだろう。

☆British 'success' under siege in Afghanistan (香港紙「アジア・タイムズ」)

http://www.atimes.com/atimes/South_Asia/IL15Df03.html

http://s04.megalodon.jp/2007-1216-0603-23/www.atimes.com/atimes/South_Asia/IL15Df03.html

The greatest challenge facing NATO is to retain control of the recaptured region of Musa Qala and win desperately needed indigenous support. This is possible through two means: complete administrative liberty for the people, which means tribal rule, and the financial freedom for them to grow poppy and trade (read smuggle). Once NATO agrees to this, the people will be won over and the Taliban will be sidelined.

It's a tough choice. Meanwhile, the Taliban have captured two districts near Kandahar to build up pressure in that province to distract NATO from Helmand.

posted by はなゆー at 06:21| ☔| Comment(5) | TrackBack(1) | 時事(海外) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
GoogleMapは中東地域の地図情報が極端に少ない。MS-Mapがはるかに充実している。
「Musa Qala」で検索するとパキスタン北西辺境州の都市が上位にヒットし、ついでアフガニスタンでは語尾変化した?「Mūsá Qal 'eh」ヒットするがヘルマンド州ではない。「Musa Qala」でWEB検索するとWikipedia英語版に記事があり、これを手がかりにたどってみると、ヘルマンド州都のラシュカルガー (Lashkar Gāh) の北東約130kmに位置する県とある。これを元にMS-Mapの当該位置をつぶさに見ると、ラシュカルガーからヘルマンド川を下ること約60kmの地点で北から合流する支流の上流部約40kmの地点に「Mūsá Qal 'eh」がある。
http://maps.live.com/default.aspx?v=2&cp=32.211639~65.078888&style=r&lvl=9&tilt=-90&dir=0&alt=-1000&encType=1

ここは川筋にあるという意味でも要地であろうが、トルクメニスタンからカンダハル経由でパキスタンへ抜ける天然ガスパイプラインのアフガニスタン内予想ルートにあたる。
★アフガニスタン縦断パイプライン・ルート
http://www.iijnet.or.jp/IHCC/mem-newasian-afganistan-newpipeline-route01-india-lng01.html
Posted by ゴンベイ at 2007年12月16日 09:50
上記の記事は、爆弾を落とす犯罪人の後押しをする議論。2001年のアフガニスタン侵略の頃に、マスコミが垂れ流した議論そのままだ。

アフガニスタン住民を米軍が殺し、NATO軍が殺し、ISAFが殺しているので住民に支持されないのは当然だ。殺しをケシの栽培許可でごまかすことはできない。

米軍、NATO軍、ISAF軍の殺しと敗退
http://www.zmag.org/content/showarticle.cfm?SectionID=49&ItemID=13997

タリバン以前の政権
http://www.i-nexus.org/gazette/kabul/kabul.html



Posted by 垂れ流しいかんな at 2007年12月16日 11:55
アフガニスタン南部ムサカラで軍とタリバンが戦闘、4人死亡 国際ニュース : AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2326544/2459651
Posted by ゴンベイ at 2007年12月16日 20:08
英国:イラク駐留軍の撤退本格化「陸軍は見事に負けた」 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/world/mideast/news/20071217k0000m030054000c.html
Posted by ゴンベイ at 2007年12月16日 21:32
ペシャワール会の中村哲医師はね、2年分の予算をブッ込んでも良いから、呼ばれれば何処にでも出かけて水路補修をしろ!と部下の人に指示しました。
アフガンでの異常旱魃は物凄く、今まで機能していたカナールや水路も使えなくなって来ているから。
例の井戸を掘りまくったのと同じ伝で。
でも当時よりかモット酷くなってて、井戸じゃもう水が上がらないんで、だから井戸より水路の工事に切り替えたんだけど。
全く、2000年までは食料自給率が100%だったのが、信じられないような話で、急速な状況の悪化に米軍が「寄与」していないとは到底思えない。
しかも、ご存知!パキスタンは米国の圧力に負け、アフガン難民を強制的に帰国させている(のも社会不安定化の一因、てかイスラムの相互扶助精神に反すると国内民からも見られた)。
それ故、ペシャワール会による水路補修は、今やアフガンの農耕・食料問題において、正にギリギリの生命線を守る、唯一残された救いの手なんだ。
どうぞ、お気持ちのおありの方は、浄財をお願いします…(私も定期的にはしてるんだけど、緊急なので)。
Posted by 田仁 at 2007年12月17日 14:52
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Tracked: 2007-12-16 12:42