2008年04月02日

米英に対抗する勢力に育ちつつある「上海協力機構」

☆ユーラシアの逆転 (田中宇の国際ニュース解説)

http://tanakanews.com/080402eurasia.htm

上海協力機構

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E5%8D%94%E5%8A%9B%E6%A9%9F%E6%A7%8B

は、中国、ロシア、中央アジア5カ国で作る経済・文化・安保関係の組織である。欧米諸国で作るNATOに対抗できる、中露中心のユーラシアの集団安全保障の組織であるとも言える(NATOは、一つの加盟国が攻撃されたら、他のすべての加盟国に応援する義務が生じる条項あるが、上海機構にはこのような義務がなく、縛りのゆるやかな国際組織である)

(略)

3月31日から、中国と東南アジア諸国によるメコン川流域国サミットがラオスで開かれ、中国が流域諸国の経済インフラ整備を支援することなどが話し合われている。この会議は、中国を中心とする柔軟な構造を持つ組織(経済や文化を看板にしつつ、実際には政治が絡む)で、イランが主導するペルシャ経済圏会議などと同様、上海機構型の国際組織である。


★要するに米英が中東で国力を無駄に消耗している間に、国力を温存する「不戦勝」志向の大国であるロシアと中国が着実に台頭してきているということだ。

★「メコン川流域国サミット=Mekong region summit」や「大メコン圏(GMS)」に象徴される、中国と東南アジア諸国の接近を、日本はもっと注視すべきであろう。メコン川

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%B3%E3%83%B3%E5%B7%9D

は長さ四千四百キロに及ぶ国際河川であり、今後は商業航行が盛んになっていくことが予想される。

★メコン川本流の巨大ダムの放水は中国政府のみに決定権があり「下流国政府や地域住民は意見を表見する場もなく、被害が出ても泣き寝入りの状態」という実態であり、地理的に国際河川メコン川の上流をおさえている中国が圧倒的に有利な状況。


《関連記事》

☆カンボジア 大メコン圏サミットが開催 中国の影響力増で地域協調の必要性 (「バンコク週報」バックナンバー)

http://www.bangkokshuho.com/archive/2002/weekly/02archives/SE1034.htm



中国、タイ、ラオス及びミャンマーの上流四カ国は二〇〇〇年、メコン川上流での商業航行自由化に関する協定に署名した。協定に基づき、中国・ミャンマー国境からラオス・フエイサイまでの三百三十一キロの早瀬や浅瀬、岩礁を爆破し、航行を容易にする浚渫工事が始まっている。

工事前に行われた環境アセスメントでは、深刻な漁業被害や環境影響は生じないとしていたが、MRCの委託を受けた研究機関の報告によると、「調査は不十分で下流への環境影響を十分に考慮していない」という。また、タイ北部チェンコンの住民組織・NGOはプロジェクトを独自に調査し、総合的な環境影響調査が行われるまでプロジェクトを中止するよう求めている。

一方、メコン川委員会に属さない中国は、メコン川本流の中国部分でのダム建設を独自に推進。すでに漫湾ダム・大朝山ダムが完成し、四千二百MWの発電能力を持つ巨大ダム・小湾ダムの建設も始まっている。しかし、この開発は土砂の堆積と下流での浸食促進、下流米作地帯への影響など様々な環境面の影響が懸念されている。また、巨大ダムの放水は中国政府のみに決定権があり、下流国政府や地域住民は意見を表見する場もなく、被害が出ても泣き寝入りの状態だ。

posted by はなゆー at 09:23| ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 時事(海外) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ついでに、BRICS(ブリクス)にはロシアとインドとチャイナが入ってますから。
Posted by 田仁 at 2008年04月02日 19:35
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