2011年6月19日(日) 午後9時00分〜9時49分 総合テレビ
昔 父は日本人を殺した
〜ピュリツァー賞作家が見た沖縄戦〜
http://www.nhk.or.jp/special/onair/110619.htmlピュリツァー賞作家、デール・マハリッジは海兵隊員だった父が死ぬ直前、「自分は太平洋戦争末期、沖縄戦に加わり、多くの日本人を殺した」と告白を受ける。デールの父は、戦場から持ち帰った多くの遺品を遺族に返してほしいと言い残し、息を引き取った。父は生前、デールに一度も笑顔を見せず、絶えず何かに怯え続けていた。父をあれほど、苦しめたものは何だったのか、デールは父と同じ部隊の生き残りを探し、全米を訪ね歩いた。その結果、父の所属した部隊は沖縄戦で240人中31人を除いて、みな戦死したこと、生き残った人たちも多くがPTSDに苦しみ続けたことを知る。今年4月、デールは父の託した遺品を持って、初めて沖縄の地を踏んだ。それは、デールが全米で集めた貴重な証言や資料と、日本側の証言を付き合わせ、これまでベールに包まれてきた沖縄戦の実像を浮かび上がらせる旅でもあった。
深く掘れ己の胸中の泉 沖縄学のまなざし(再放送)
Eテレ:午後10時〜
http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2011/0220.html100年前の1911年、琉球最古の歌謡集「おもろさうし」の解読を中心に据えた沖縄文化再発見の書が出版された。伊波普著『古琉球』。“沖縄学の父”とも呼ばれる伊波は、沖縄が日本に組み込まれ、その文化が根こそぎ否定された時代に、かつて琉球の村々で歌われていた神歌「おもろ」を解読し、沖縄文化の価値を世に問おうとしたのである。それは、近現代史の荒波に翻弄され続けてきた沖縄にあって、独自の文化価値を確認し、自立の道を模索してきた沖縄学の起点であった。
その後、沖縄学は、仲宗根政善等によって継承されてゆく。ひめゆり学徒隊を引率し、その史実を訴え続けたことで知られる仲宗根は、伊波のまな弟子だった。仲宗根は、アメリカ軍統治下の沖縄で、故郷の方言の中に、沖縄の心を探し続けた。
琉球処分、沖縄戦、占領、本土復帰。いつの時代にも、沖縄学は、言語学・民俗学を中心に据えた学問でありながら、常に時代と向き合い続けることを宿命づけられてきた。伊波普は最後の著作となった『沖縄歴史物語』を次のように結んでいる。「地球上で帝国主義が終わりを告げる時、沖縄人は「にが世」から解放されて「あま世」を楽しみ十分にその個性を生かして、世界の文化に貢献できる」